信じる

「ガシャーン」
父の怒鳴り声と母の泣き声
幼い私は布団を被ってひたすら寝ている振りをしていた。
ある日母は妹を連れて出て行くと言った。
「あんたも一緒に来るか?」って言われた。
私はその時「私はこの家にいる」と答えた。
自然にバランスを取ろうとしていたのだろうか
その日から父との2人暮らしになる。

母は父を憎み、父は母に苛められたと言う。
母は私を生んで直ぐ自殺を図っている。
父は心を病み薬漬けになった。
お互い傷つけ合って生きて
それでも私達子供の為に離婚しなかった。
80歳を過ぎて離婚。
もう会う事も話す事もないだろう。

それでも信じたい。
愛する時が一瞬でもあった事を
私が生まれた意味を。

大好きな父と母から
生まれて来た自分を大切にしたい。