嘘つき

何かが限界。
父に会いたくない。
父と話したくない。
父の事を考えたくない。
妹と同じ自分になる。
スマホの電源を切って寝る。
連絡が来ないように留守電に入らないように。
朝、電源入れたらすぐ電話がかかって来る。
まだ7時。「私歯茎腫れてて痛くて、体調おかしいから無理やし」そのあとの返しが「わしも…」その時点でもう無理。なんやねん。自分の事ばっかり。母なら多分「歯茎痛い…お医者さん行って来たら?」とか言ってくれそうやけど。
自分ばっかり苦労した、苦しい、死にたい、不幸や、そんな負のオーラがこちらに恐ろしいパワーとスピードで向かって来る。
そんな奴に関わりたくないねん。
冷たい娘と思われたらいい。
悪くていい。嘘つきでいい。自分を守る為や。
「死ぬ前にやりたい事があるから協力して」
なんやそれ。私だっていつか絶対死ぬんや。
仮病を使おう。精神病んでるふりしよう。
めちゃくちゃな会話にしてやろう。
お父さんがそういう人間やから、そうするしかないんや。
自分の気持ちに正直に生きる。
無理しない。
一緒にいて楽しかったよ。大好きだよ。
もう充分。思い出いっぱいある。
だけど、今はダメなんだ。
わからんけど、壊れそうなんや。
負のオーラに負けそうなんや。
私はそんなに強くない。
「さがす」って映画観た。
「死にたい」って言う人は、本当に死にたいのか、死んだ方が楽になれるのか、生きる事がそこまで辛いのか、私には理解出来ない。
そんなとこまで追い詰められた事ない。
だからわからない。わかるようになっても怖いけど。
こんなことばっかり考えてる事自体私ヤバい。
自分のこれからの人生、お金の事とか、老後の事とか、考えなあかんのにな。こんなとこにいる場合じゃないよ。まるで違う世界がある。
黄金の羽を拾いたい。見る世界を変えたい。
翔ぼうとしてるのに、心に重い何かがある。