私のお気に入り書店が閉店した

仕事場の近くのビル内の書店が閉店となった。

アニメグッズの店舗が入るらしい。

昼休みにぶらぶらとその書店で本を見るのが好きだった。

そこの店員さんも親切で、私の好きな作家さんのサイン本とかが欲しくて探していると言ったら、「前はよくいろいろな作家さんにサイン会とかに来てもらったんだけど、今はあんまりないんです」と言って、その作家さんの本のある場所を探して教えてくれて、私が「これ持ってます」って言ったら、「う〜ん、じゃあ同じような系統の感じで、違う作家さんだけどこれなんかどうですか?」なんて勧めてくれたりした。

その書店員さん、本が好きという感じが笑顔からもすごく伝わって来た。

私もさみしいけど、あの書店で働いていた人達はどうなったのだろう。書店が増える事はどうやら今後はなさそうだし、他の仕事に転職しざるを得ないのだろうか。

昼休みにお弁当をササッと食べた後、散歩がてらに書店に行くと、新刊が平積みされて、書店員さんの手描きのポップアップがあったりして、本を手に取る。私は本はいつも持ち歩きたい人なので、ほとんど買うのは文庫本サイズ。中味をパラパラ捲って自分に読みやすいものを探す。そしてカフェで甘いものと一緒に珈琲と本ごあればご機嫌の昼休みになる。

私の癒し場所がまたひとつなくなった。

本はネットで買えるし、電子書籍だってあるし、便利な世の中になったけど、書店で偶然出逢ったり長い時間かけて選ぶという不便な感じが私は好き。不器用な人間だから遠回りが好きなのかな。

本を買えば買うほど家に溜まっていって本棚に入らなくなって、引っ越しの際に古本として売ったり処分しなくてはいけなくなるから、電子書籍の方が良いのかも知れないし、書店が閉店していくのは世の中の流れなので仕方ないのだろう。だけどやっぱり何がさみしい。