なぜ人は妬むのか

宝塚音楽学校のイジメがスクープされた。

私も宝塚受験に合格した友人達からいろいろ話は聞いた事があったけど、随分昔からそれは伝統なんだとみんなが受け入れていたように思う。

私は女性なので女の世界しか解らないけど、バレエの世界でもそういうのは陰湿に起こる。

配役に関する妬み、自分より後から来た自分の存在を脅かす才能ある人への妬み、先生に気に入られる人への嫉妬等、自分でも止められないどうしようもないような感情を弱い人に向けて行く。

イジメる側の人は先生や上の人間には従順で好感度高く振る舞い、イジメ方は上の人間にはバレない方法を取る。上に立つ先生はそれに気が付いても自分の仕事の範囲ではないからと見過ごすし、取り入って狡猾にお世辞を言い、従順に振る舞う人にまんまと騙される。

私はイジメられる経験もイジメる経験もある。

イジメられても誰も助けてくれない。

イジメるのもその時は私の心が未熟で、自分でどうしようもなく感情を止められなかった。

上に立つ先生がしっかり見極めて、いろいろな立場の人の気持ちに寄り添う事が出来れば解決するのだろうか?

今は先生の立場にいるが、ひとりひとりに向きあうのは大変だ。本来の仕事以上に労働時間を奪われ睡眠不足で頭痛に苦しむ。

みんな本音はなかなか語らない。本音を引き出すには時間が必要なのだ。

人の悪口や不満を言う人はどこかで病んでいる。自分の中の負の部分を他人に転嫁しているのではないかと思う。素直な形では表現されないのだ。

教室を辞める時の理由は大概本当の理由ではない。

多かれ少なかれ、みんな表と裏、真実と嘘がある。

時間の流れで心もコロコロと変わって行く。

いろいろな人の話を聞くと矛盾があり、何が本当なのかが解らなくなる。

けれども出来るだけひとりひとりに寄り添う努力をしたい。それは人を知る自分の勉強になるのかも知れない。