「星の王子さま」は今まで何回か読んでみたけど何だかピンと来なかった。
ある日、中田敦彦さんのYouTubeで聞いたらもう一回違う翻訳で読んでみようと思い新訳池澤夏樹さんので読み返した。
私は王子さまが自分の星から地球に来て、また自分の星に帰るというのが、人間そのものを表現しているように思えた。
私達も何処か、それは宇宙の彼方なのかそれとも土なのか、何処かは解らないけれど、そこからこの地球という世界に来て、そして本来の自分の居た場所へ帰る。
サン=テグジュペリと言う作家が気になって検索していたら、ラジオドラマで「闘う操縦士」をやっていた。10分程の動画だけどよかったので何回も聞いている。
サン=テグジュペリの死に瀕した弟の言葉「僕わかったんだ。死なんてないんだ。気付いたら終わっているからね」が胸に刺さる。
死は一瞬の出来事だ。
ずっと眠れないと言って苦しんでいた私の父は死ぬ前はずっと眠っていた。意識がないとも言えるけど。
私達が眠っている時、意識はない。
眠っていても心臓は動き、呼吸している。
父も眠っていながら心臓が動き、呼吸をしていた。それから血圧が徐々に下がり、ある時呼吸が泊まり、遂に心臓の動きも止まった。
眠りながら静かに死という一瞬の時を過ぎ帰って行った。
サン=テグジュペリは敵機の中に突っ込んで行くのを怖れない。
私も、自分の人生の道を怖れることなく、ただ操縦士のようにその時が来るまで全力で生きたいと思った。