生まれて死ぬ

父が今日中に入院したいと言い出した。
朝の留守電。
生活保護で介護付き、往診のかかりつけ医もいるから、私の仕事じゃないでしょ。
何かを求めてるんだろうけど、電話する気にも行く気にもならない。
家で1人さみしくて不安なんだろうなと思う。
だけど、電話したとたんにその暗くて出口のない混沌に引きずり込まれそうで怖い。
ひどい娘だ。冷たい自分。だけど前を向いて生きて行きるためには見てはいけないことがある。こうやって考えてしまうこと自体マイナスな気がする。私はまだまだ生きなきゃいけない。誰も助けてくれない。父のようにならないためにがんばらやきゃいけない。
父は簡単におまえも生活保護受けたらいいやんとかいうけど、そうじゃない。私はこんな連鎖を絶ち切りたい。
父を愛している。大好きだよ。
がんばってと心の中で応援してる。
今、白い梅の花を見て、緑の小道を抜けて、スタバで桜のパウンドケーキとカフェラテ。
休日の公園には親子連れや若者達が生き生きと散歩したり、走ったり、おしゃべりしたり。
生きている。みんな生きてこうやって外に出て自然や人々とふれあい楽しんでいる。
もう外に出ることもないのだろうか、父にはそんなことに希望さえ持てなくなっているのだろうか。何が彼をそんなに絶望させているのだろうか。このカフェの空間は生命力に溢れているのにもうひとつの空間ではただ死ぬために生きている人がいる。