引っ越して初めてのお正月
氏神さんへご挨拶に
そして足は去年まで暮らした街へと向かう
60年
私の母と父が結婚してから私たちを守ってくれた家
寂しそうだった
ごめんね私たちが守ってあげられなかった
向かいの家から笑い声が聞こえる
お正月
この家でも、こたつでみかんを食べながらトランプしたり
みんなですき焼きしたりしたんだ
家は孤独にじっと耐えるようにしてそこにいた
空っぽの家
会いに来たよ
中に入ってあげられなくてごめん
本当にごめん
忘れない永遠に
そこにあった、確実にあった、私たちの出会い
そして幸せを
誰が否定しようと、忘れたい時間だと思っていようと
私は幸せだったと思うから