はなれる

コロナでみんな離れる。

集まらない。

近づかない。

触れ合わない。

話すことさえはばかる。

コロナウィルスは、人と人を引き離し、疎遠にして、私たちを孤独にして、

物理的に離れた状態から始まって、しまいには、心と心さえお互いに凍らせて、

バラバラに分解させる。

肩を寄せ合い、抱き合い、耳元でささやき、笑って歌う踊る。

そういうことをしなくなって、

いつのまにか遠距離恋愛が続かないのと同じに、その人がいなくても平気になる。

感情を押し殺すのにも慣れてくる。

悲しんでいる人を抱きしめて慰めることもない。

コミュニケーションにはすべてコンピューターが介入する。

完全にコロナウィルスとコンピューターの勝利。

人類はもう負けている。

死を恐れたために、少しでも長生きしたいがために、負けてしまった

けれど、。

アマゾンの奥地、人の手の届かない場所に住む、名もない動物たちのように

自然に命を全うし、死を恐れず、人間同士が自然に集い、

息を共にすることがよいとは言えない。

それは人類の絶滅を意味するから。

完敗か、それとも…