毎日を唯生きる

水色の空に桃色の雲が横にたなびくように三本線を描いていた。桃色の雲の上部は薄いねずみ色で優しいグラデーションになっている。遠く西の空はまだ明るくて真上を見上げると白い小さな三日月が浮かんでいる。空色に桃色の雲。しばらく綺麗だなと思いながら帰り道を行くその1分後にはもう桃色の雲はねずみ色に変わってしまった。例えばあと5分遅くても早くても見られなかった、そして未来にも同じ空は見られない。似たような空はあるかも知れないが全く同じはない。後ろを振り返ると夜になろうとする濃い青の空があって私は地球にいるのだと実感する。私の人生において朝は東へ夜は西へ帰ると言う感じなんだなと今日気が付く。学校も職場も引っ越ししても何となく意図してないのにそうなっていた。いつも帰りは西の空に大きく光る星に誓ったり、願ったりしていた。宇宙から生命体として生まれた私に何か不思議を感じる。夜寝るとまた朝が来てを繰り返しある日死ぬ。不思議でしかない。こんなに呑気な事考えている自分。将来の不安や焦りもあるけど考えてもどうしようもなく何も進展しないまま過ぎて行く毎日。あの空と同じように私も毎日変わって行くというか歳を取って行く。それはどう考えても悲しくて淋しいとしか思えない。「今日も楽しかったね」って目覚まし時計のドラえもんが言ってくれるから楽しかったような気になるのは私の救いです。そう毎日、今日も楽しかったねって言って眠りに付こう。