四十九日

朝、骨壺を抱いて泣いた。
中を開けて骨を見た。
骨の欠片を取って私のお守りにしたくなったけど、そんなに軽い感じで持っててもいけない気がして、私はお経もあげられない。もしも私に何かあっても骨はそのままになってしまう。
お墓に入れよう。
骨壺の中の骨はお父さんの全部ではない。
燃えた後、人の形で出てきたお父さんの骨はいっぱいで小さな骨壺の中には入りきれないんだ。人間は死んだら灰になり、いつか土に帰るのか。生物ですものね。自然に帰るのか。
そして何にもなくなる。きっと。
私もきっと。
つい最近まで、お父さんと呼べば返事が返ってきたのに、その身体も心も何処にもいない。
不思議すぎる。
魔法のように、粉々になって、風になって消えて行った。
お墓参りは行くけど、本当に其処にいるの?
私達の気持ちを慰める為の勝手な思い込みなんじゃないの?